社団法人全国中学校産業教育教材振興協会ニュース

2014年3月6日発行

平成25年度 第14回全国中学生創造ものづくり教育フェア開催される

 さる2014年1月25日(土)、26日(日)新木場タワー、中央区立佃中学校、女子栄養大学駒込キャンパスを会場に第14回全国中学生創造ものづくり教育フェア開催された。このイベントは全日本中学校技術・家庭科研究会の主催するもので、ちなみに当公益社団法人全国中学校産業教育教材振興協会は共催している。各コンクール・コンテストの詳しい結果は全日本中学校技術・家庭科研究会のホームページをご覧いただきたい。
http://ajgika.ne.jp/page.php?p=fair_14
 
◆「生徒作品コンクール」
は中央区立佃中学校で1月24日(金)に審査が行われた。全国49の都道府県市のうち44の研究会から技術分野I部門114点、II部門55点、家庭分野I部門108点、II部門73点の合計350点が出品された。
 このコンクールは元々当協会が主になって開催していたものだが、現在当協会は創造ものづくり教育フェアの共催という立場で全体に関わることになった。
今回の出展作の傾向として特にI部門において小型化が進行したことと、アイデアを重視した作品が増加した印象を受ける。作品の小型化については過去の作品展ではI部門が授業内製作作品、II分門が自主製作作品という区分がなかったため、製作品、特に受賞作品が大型化、複雑化の一途をたどっていたが、今回はI部門ではこうした傾向に歯止めがかかり、大型で複雑な作品が影を潜めている。又そうした一因として現在の学習指導要領施行以降は、同じ時間数で内容が増加したため個々の製作品にかける時間が減少したことや選択の時間がなくなったことなどが考えられる。
そうしたことに応募者側が対処した事例として、複数年度多領域にわたって製作したものや、多人数で大型の作品を製作したものが今回は目立った。特に多人数の製作に関しては新たなりっぱな・大型の作品出展を増加させることにつながるため、運営側では若干の警戒感も見られる。
アイデアを重視した作品が増加したことに関して「生徒の生活の課題を解決する」視点や「○○のため」などの献身性を基盤としたすぐれたアイデアを実現したものが目立った。
又、製作方法に地域の伝統的の知恵を活かしたものや、その他防災や廃物の再利用といった要素をもつ作品多かったのもここ数年の傾向でもある。
コンクールの詳しい結果は全日本中学校技術家・庭科研究会のホームページを参照のこと。

◆「木工チャレンジコンテスト」
の製作部門は1月25日(土)に新木場タワーにて開催された。全国1次審査により選出された計16名が所定の材料を使用し、4時間以内に課題に従って作品を製作する競技とプレゼンテーションが行われた。本年は工作機械の使用が認められた現在のルールになって3年目ということもあり、全員が時間内に製作を終えることが出来た。
製作部門の文部科学省大臣賞の受賞者はアイデア部門でも当協会会長賞とのダブル受賞となった。
このコンテストの課題としてこのようなコンクールに出場する生徒でも工具の危険な使い方が見られるため、より安全に作業することが重要であるとのことであった。
 昨年から新設されたアイデア部門では課題の条件を満たした製作品の構想図および構想レポートを応募し1次審査を行い、プレゼンテーションビデオ、材料取り図、材料表により2次審査を行った結果が発表された。

◆「創造アイデアロボットコンテスト」
は中央区立佃中学校で開催された。本年は初めて全ての都道府県が参加して本選が開催された。競技は授業内部門、応用部門、映像作品部門に分かれて開催された結果は全日本中学校技術・家庭科研究会のホームページを参照いただきたい。
本年度から競技を1日に集約するなど労力の軽減や予算の効率化を図り、次年度から映像作品部門を廃止するとともに、部門の再編成をおこない、より多くの学校が手軽に取り組めるように基礎部門を新設するなどの改定を行う予定。
 「豊かな生活を創るアイデアバッグ」コンクール
は1月25日(土)に新木場タワーにて開催され、全国4ブロックから選抜された17名の選手が一堂に会して、3時間30分以内にバッグを製作し、そのアイデアや縫製技術を競い合った。本年の入選作から傾向を分析すると、父や母など誰かのためにというものや、生活を楽しむためのもの、複合的な使用が可能なものなど豊かな拡がりを見せ、全体として「豊かな生活を創造する」と言うにふさわしい内容になったのではないか?

◆「あなたのためのおべんとう」コンクール
は1月25日(土)に女子栄養大学駒込キャンパスで開催され全国から選ばれた20グループが参加し「魚を使った調理」を献立の中心にすえて、90分間でお弁当作りにチャレンジした。
このコンクールはタイトルからもわかるように食べてもらう相手の健康や好みを考えて愛情をこめてつくるというものづくりの非常に重要な要素を込めたものである。
加えて本年は学習指導要領の内容を反映した地域食などの地域や伝統の知恵をお弁当に盛り込むものが多かった。

◆「パソコン入力コンクール」
は1月25日(土)に中央区立佃中学校で開催された。コンピュータ活用の基礎・基本であるタッチタイピングを競う「パソコン入力の部」と情報発信能力を競う「メールの部」に分かれており、パソコンを扱う基本的スキルと「電子メール」の返信文を作成する情報発信力はともに情報領域の基盤をなす要素をカバーしたものと言える。

以上。

bar

公益社団法人 全国中学校産業教育教材振興協会